ヒトの染色体は23対である。
1対の染色体には、ひとつの煩悩の素が宿っている、そう仮定すると、煩悩の限界値が23であることに納得がいく。つまり、煩悩には生まれる前にすでに遺伝子に組み込まれているものと、生まれるた後に俗世で生きているうちに身に付いてしまうものがある。後者の85の煩悩は修行することで無くすることができるが、生まれながらにもっている23の煩悩を消し去ることはできない。それは、どれだけ修行しようと人がヒトという生物であることを辞められないのと同じである。つまり解脱するには成仏する(死ぬ)しかないということになる。
染色体に由来する煩悩という発想はキリスト教にもある。それは原罪である。全人類の先祖である一対の男女アダムとイブが犯した罪が、その遺伝子を受け継ぐ全人類に及んでいるという考えである。
もちろん「1対の染色体には、ひとつの煩悩の素が宿っている」という主張は現段階では仮説にすぎない。今後の科学的研究の成果が待たれる。
ところで真理の数23について科学的に解明されていない問題がもうひとつある。
85の煩悩は修行によって滅することができるが、実はこの85という数字も2と3で構成されているのである。
85=17×5=(2^3+3^2)×(2+3)
つまり108―85=23という式は2と3を用いて次のように書くことができる。
2^2×3^3―(2^3+3^2)×(2+3)=3^3-2^2
そこで次のような命題が提起される。すなわち一般に自然数a、bについて式
a^a×b^b-(a^b+b^a) ×(a+b)=b^b-a^a
が成立するならば、
a=2,b=3
である、という命題である。いまだ、この命題は証明されていない。
これを読んでいるあなた、修行だと思って証明してみませんか?
もし証明できれば、あなたの煩悩は限界値23まで減るかも……