掛け算の順序
まずヘーゲルの『小論理学(上)』の一節(p296)を引用する。 一と言えば、まず多を思いつくのが常である。するとここで、多はどこから由来するかという問題が生じる。表象のうちにはこの問題への回答は見出されない。なぜなら表象は多を直接的に現在するも…
高橋誠さんはツイッターで次のような問題提起をしている。 m×n=(1+1+……+1)×n=n+n+……+n=n×m しかし、この等式変形を、あえて名数に適用してみると、 m銭×n=(1銭+1銭+……+1銭)×n=n銭+n銭+……+n銭=n銭×m となるではないか。 この問題は単位Uを有する数m(名…
数学的単位は本質的にひとつしか存在しない。3個の飴が入った袋が4袋ある、という前提で、飴はいくつあるかと問われたとき「個」が数学的単位である。4袋のポテトチップスが入った箱が3箱ある、という前提でポテトチップスはいくつあるかと問われれば、「袋…
単位を数学の世界に持ち込むことは論理的には可能である。だが、ヘーゲルは次のように言う。 しかし空虚な悟性の慧眼というものは、可能なこと〔中略〕を、役にも立たないのに考え出して得々としているものである。 小論理学〈下巻〉 (1952年) (岩波文庫)p85…
giveme5.hateblo.jp 上記記事において 「1皿に5個ずつ入ったみかんの4皿分の個数」という文には「個」と「皿」という二つの単位が登場する。この文の中で、どちらが数学的単位であり、どちらが言語的単位であるか という問題を提起したとき、「個」と「皿」…
ameblo.jp 「xyは,xのy倍」の定義から出発しても,和の交換法則,結合法則,積の交換法則,結合法則,そして分配法則を使えば,「xyは,x倍のy」を証明できるのではないかと気が付いたのです。 そのことに気付いた高橋さんは、その証明を試みるのであるが、…
新指導要領解説 https://t.co/cYBudX5yuJ 算数(2)p.114 「被乗数と乗数の順序は…大切にすべきこと」「乗法の計算の結果を求める場合には…被乗数と乗数を逆にして計算してもよい」「英語圏などでは順序が日本と逆になっている場合があることに注意」 — Haru…
d.hatena.ne.jp 高橋誠さんの上記記事で私の下記記事にある誤りを指摘していただいた。 giveme5.hateblo.jp 「8×6」を「8に6を掛ける」に対応づけることの合理性として,加減乗除において演算子の右にあたる数を(または「×6」と演算子込みで)オペレータと…
ameblo.jp 今回も前回に引き続き上記の高橋誠さんの記事から引用させていただきます。 高木貞治、曰く 「一時間に十二里ずつ行く汽車は,四時間に幾里を行くべきか。」という問題では,「十二里(被乗数)に四(乗数)を掛け,積として四十八里を得たるなり…
giveme5.hateblo.jp 上記記事の最後で片瀬久美子さんのツィートに言及した。最近、始めたTwitterで「一部で始まったナンセンスな教授法」について直接ご本人にお尋ねしたところ、ある方のTwitterをご紹介いただき、そしてその方の伝手で、このブログにたどり…
giveme5.hateblo.jp 上記記事について、takehikomさんからコメントをいただいた。takehikomさんは掛け算の順序問題に精通しておられるようで下記記事では色々な記事がまとめられている。 d.hatena.ne.jp その記事のいくつかを読み、教育の素人が考えたことを…
giveme5.hateblo.jp giveme5.hateblo.jp giveme5.hateblo.jp 上記記事で述べたことを要約する。 単位には数学的単位と言語的単位(助数詞)がある。 言葉を話すことができる子供はすでに言語的単位を把握しているが、数学的単位は把握していない。 数学的単…
giveme5.hateblo.jp 上記記事で私は次のように主張した。 「3Lの水が入ったコップが4杯ある」(この時点で、すでにそこには12Lの水が存在している)という文における「3L」は量(数学的概念)であり、「4杯」はことば(言語的概念)である。数学的概念である…
giveme5.hateblo.jp この記事のコメント欄で、掛け算を習う前に単位を習うという指摘があった。しかし、いくら新たな単位を習っても、子供はそれを助数詞として把握するはずである。 私は前回の記事で「数式の中には単位を記述してはいけない」と指摘した。…
先生は生徒に算数のテストを配った。そのテストには「プリンが3個ずつ入ったパックが4パックあります。プリンは全部で幾つありますか」という問題が書かれていた。 A君は「3×4=12」という式を書き、そして答えの欄に「12個」と書いた。 B君は「4×3=12」とい…