その「有志の会」さんが見逃さなかったコメントとは以下のとおり。
遠藤氏の論文は、小保方氏らがSTAP細胞から作ったと主張していた『FI幹細胞』の遺伝子データを解析し、既存の合成細胞であることを指摘したもの。
「有志の会」さんはこの一文を誤解に基づいて批判している。そこで私が(頼まれもしないのに)その誤解を解くことにする。
上記の文から誤解の元となっている文を摘出すると次のようになる。
遠藤氏は、小保方氏らがSTAP細胞から作ったと主張していた『FI幹細胞』の遺伝子データを解析した。
次のこの文の構造を「解析」すると次のようになる。
「遠藤氏はA(名詞句)を解析した。」
A=「B(形容詞句)『FI幹細胞』の遺伝子データ」
B=「小保方氏らがC(形容詞句)と主張していた」
C=「STAP細胞から作った」
Bを構成する要素であるCが、Bと同様にAを形容している。この点がこの文に誤解の余地を与えている。
しかし少し考えれば「小保方氏がSTAP細胞から『FI幹細胞』を作った」と解釈することが誤解であることは明らかでいる。その解釈では「主張していた」の主語が不明になるからである。それでは意味が通じなくなる。
小保方氏らがSTAP細胞から『FI幹細胞』を作ったと主張する者はいるが、それが誰であるかは不明である場合、次のように表現すべきである。
遠藤氏は、小保方氏らがSTAP細胞から作ったと噂されていた『FI幹細胞』の遺伝子データを解析した。
したがって「小保方氏ら」は「主張していた」の主語であることは間違いない。そしてCにおける「作った」の主語が誰であるかは、この文を読む限りでは不明である(したがって「小保方さんら」である可能性は残されている)が、いずれにせよ不明でも意味は通じる。この文章の趣旨からして『FI幹細胞』を作ったのが誰であるかは問題ではないからである。問題はそれが何から作られたかである。
最初の文は、それを次のように二つに分割すれば、誤解の余地はない。
遠藤氏の論文は、『FI幹細胞』の遺伝子データを解析し、それが既存の合成細胞であることを指摘したものである。小保方氏らは『FI幹細胞』はSTAP細胞から作ったと主張していた。
付け加えるならば「STAP細胞を作った」と主張していたのも小保方さんである。
そしてマスコミの「不正」な報道によって、小保方さんの「正しい」主張が世間一般に通用しなくなっていると主張する人がいる。
世の中、いろんな主張があるものだ。