シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

ため息さんと学さんが相反することに誤解の余地はない。

学とみ子さんのブログ記事今週の課題第一発として、下記の分化と多能性が天秤として表現された図を見て、STAP問題を学び直して欲しい。の本文では次のように書かれている。

当方が、”分化と多能性が相反する”とごく当たり前のことを書いても、それで当方の認知機能に問題があると言ってくる。

当たり前のこととして相反するのは「分化と多能性」である。ところがその記事のコメント欄で学さんは次のようにコメントしている。

”細胞の分化能と多能性の維持は、細胞の相反する方向性と言えるが”と書きました。

この意味を理解せず、勝手に、分化能と多能性が同じ言葉と読み替えて、その後を展開したのは、ア〇〇さんの方です。”維持”が読み取れません。

ここでは相反するのは「分化能と多能性の維持」となっている。一体どっちなんだ。で最初に学さんがどのように言ったかであるが、細胞は遺伝子挿入をせずとも初期化しうる。初期化に至る経路は、刺激の種類や、元の分化細胞ごとに異なる。という記事で次のように言っている。

細胞の分化能と多能性の維持は、細胞の相反する方向性と言えるが、両機能を持つ幹細胞は、2i培地などの細胞分化を抑制する人工培地では、多能性を維持した状態で増殖することが可能である。

「細胞の分化能と多能性の維持は、細胞の相反する方向性と言える」はそう言えないこともないが、問題はそれに続く文である。「両機能を持つ幹細胞は、……」と続くので、細胞は「分化能と多能性」を維持した状態で増殖する(つまり相反するのは「分化能と多能性」である)と誤解されるのである。分化能は細胞の機能であるが、多能性の維持はそうではない。確かに多能性を維持しているのは細胞であるが、そうさせているのは、学さんも書いている通り、培地である。培地が分化を抑制するよう機能しているから、細胞は多能性を維持できるのである。したがって多能性の維持は培地の機能なのである。「細胞の分化能と多能性の維持は、細胞の相反する方向性と言えるが」などと余計なことを書かず、単純に次のように書けば、誰も誤解しなかったはずである。すなわち「多能性を持つ幹細胞は、2i培地などの細胞分化を抑制する人工培地では、多能性を維持した状態で増殖することが可能である。」これでは当たり前すぎて何とも味気ないので、何か気の利いたことを言おうとしたのかもしれないが、そういう気づかいは無用である。文章を書くときは、読む人にとって誤解の余地のない文章かどうかに気を使うべきである。

ところで相反するものが「分化能と多能性の維持」だったのが「分化と多能性」に変わったのは「分化と多能性が天秤として表現された図」を発見したからでしょうか。