シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

先生と言われるほどの馬鹿でなし

学とみ子さんは私を「生物学の業界では名前の知られた有名な学者」であると考えておられるらしい。この考えに対して反論しないと、元PTA会長(現mjもんた)さんに「反論しないのは反論できないからだろう。やっぱり狸は生物学の業界では名前の知られた有名な学者なんだ」と非難されそうなので、やっぱり反論しない。

おんぶにだっこのように、先生の文章をここへ書いてしまった学とみ子をお許しください。

と医師であり、かつ医学博士である学さんに「先生」呼ばわりされる始末である。私は阿呆ではあるが、しかし先生と言われて気分をよくするほど、馬鹿ではない。また無断転載を咎めるほど狭量でもない(私にも「前科」がある)。

さて本題に入ることにしよう。転載された私の記事には転載されていない部分がある。それは「少なくとも小保方さん自身は「all chimeric mice, both of cell lines and a teratoma were derived from ES cells」という結論に反論していない」という部分である。そして小保方さん自身「スフェア細胞はES細胞と異なり、生体内での増殖性が低く、ただ注入するだけではテラトーマを形成することはなかった」(『あの日』p.55)「GFP陽性の細胞はキメラマウスに存在していたが、組織を形成しているというよりも、組織内に散在しているという表現のほうが正しいと思われた。キメラマウスの遺伝子を解析すると、割合は少ないがスフェア由来の遺伝子が存在するマウスも確認された」(同p67)「検証実験においてはキメラマウス作製以外の方法での細胞の多能性の確認実験は一切行われなかった。そのため「STAP現象が再現されなかった」のではなく、「目視で測定できるようなキメラマウスができなかった」が実際に行われた検証実験の結果の説明だと私は考えている」(同p238)と語っている。では当初の実験で緑色に光るマウス、すなわち「目視で測定できるようなキメラマウスができ」たのはなぜか? あるいはSTAP細胞は「生体内での増殖性が低」いにもかかわらず、培養皿の中で増殖した(STAP幹細胞ができた)のはなぜか? それはES細胞が混入していたからである。つまり小保方さんの主張はES細胞混入説を前提にしないと成立しないというのが「生物学の業界では名前の知られた有名な学者」である(と学さんが考える)私の理解である。

にもかかわらず小保方さんを擁護する学さんはES混入説を否定する。学さんは「狸氏は小保方氏の主張を理解している人なのである」と言う。すると学さんは、これまで小保方さんの主張を理解しないで小保方さんを擁護してきたことになる。この誤りを認めた結果、私の記事を転載したのだろうか。

私はその記事の最後で「この記事は『あの日』の記述がすべて真実であるとの前提で書かれています」と注記しておいた。それは言うまでもなく、私が『あの日』の記述がすべて真実とは限らないと疑っているからである。私は『あの日』に依拠してSTAP事件の真相に迫ろうとする気はない。それよりも桂報告書において可能な限りの真相は語られている。それ以上の真相は「藪の中」である。

小保方さんは検証実験でOct4陽性反応が確認されたことをもってSTAP現象は再現されたと主張しているが、検証実験の報告書ではこの現象についていかなる評価もしていない。理研がSTAP研究を中止すると判断した以上、当然である。その現象に何らかの意義があると評価するならばSTAP研究は続けられるであろう。しかし小保方さん自身にはその気はないようである。

なお擁護派の中には桂報告書の疑惑を指摘する方もおられるようだが、「生物学の業界では名前の知られた有名な学者」である(と学さんが考える)私にはそれを理解する知識がない。ちなみに桂報告書の疑惑を指摘する方のひとりに和もがさんという方がおられるが、彼はPC遠隔操作事件でも容疑者を擁護していた。そして動かぬ証拠を突き付けられて容疑者が自白した後も「あれは嘘の自白だ」と擁護し続けた人である。この人は、いったい誰を擁護しているのだろうか? 

PC遠隔操作事件

【追記】

学さんは最初はES混入説を否定していなかったようである。

理研は、混入説を採用しているが、混入説採用の理由は、混ざってしまった理由や経緯について、理研は知っているからなのだろう。

若山研究室で、幹細胞作成中に、勘違い、作業ミスなどによりESが増殖してしまった可能性があったことが指摘されている。この事故による混入説は、相当に説得力がある。大事なのは、幹細胞を作る時に、ESが混じったのだ。

おそらくこの記事が、学さんがSTAP事件を取り上げた最初のものだと思われる。ちなみに学さんのブログに転載された私の記事は上記記事の前に書かれたものである。