シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

母性は女性を狂わせる。

だもんで『あたしおかあさんだから』は株式相場を狂わせる。本日午前9時40分現在、日経平均は1000円超の下落である。ちなみにダウは史上最大の下げ幅を記録した。

経済の話は置いといて「母性は女性を狂わせる」はドラマ「Mother」のキャッチコピーである。このドラマ、主演は松雪泰子、脚本は坂元裕二である。坂元裕二と言えば今、放送中のドラマ「anone」の脚本も手掛けている。主演は広瀬すずである。しかしこのドラマ、視聴率はイマイチらしい。この “苦戦”の理由であるが、一言でいえば、脚本家・坂元裕二にある。TBSの「カルテット」も同氏の作品であるが、このドラマも高評価、低視聴率であった。そもそもテレビというものは映画のように金を払って「観る」ものではなく、タダで「見る」ものなのだ。しかし同氏の作品は密度が濃く、集中して「観」ないと話についていけない。だからドラマを「観る」(私のような)ドラマ通からは高く評価されても、漫然とテレビを「見る」だけの一般視聴者には受け入れられないのである(上から目線)。ちなみに私はテレビを「見ない」で( Huluで)「anone」を「観て」いる。

話がそれた。「Mother」は幼児誘拐の物語である(8年前に放送されたドラマだが今ならHuluで観ることができる)。小学校の臨時教師である松雪は、最初「あたしおかあさんじゃないから」と覚めた目で虐待が疑われる生徒(芦田愛菜)に接していたのであるが、愛菜が実の母親(尾野真千子)に捨てられていた(文字通りゴミ袋に入れられてゴミ置き場に捨てられていたので、後に尾野は保護責任者遺棄罪で逮捕されるが、私は殺人未遂に相当すると思う)のを発見して、俄然、母性に目覚めるのである。でもって松雪は「あたしがおかあさんだから」と愛菜の母親になる決意をする。そして松雪は愛菜を誘拐する。「おかあさんでないから」、しかし「おかあさんだから」と言いたくて、自己を犠牲にするのである。そのとき松雪が愛菜に言うセリフ「あなたは捨てられたんじゃない。あなたが(実の母親を)捨てるのよ」は鬼気迫るものがある。実は松雪自身が昔、母親(田中裕子)に捨てられた過去がある。しかし、それも田中が「おかあさんだから」自己を犠牲にして娘を守ったた結果であることがドラマの最終盤で明らかとなるのだが。

その後、松雪は愛菜と逃避行を続けるわけだが、偽の「おかあさんだから」、人並み以上の自己犠牲を強いられる。「眠いまま朝5時に起きるの」どころの犠牲ではない。松雪は、真相を突き止め、それをネタに彼女を恐喝する男を殺そうとまでするのだ(実は松雪の母である田中も放火と殺人の罪で服役していた)。

というわけで「母性は女性を狂わせる」をキャッチコピーとするドラマ「Mother」他人の子供によって母性が目覚め、気違いじみた努力(自己犠牲)で「あたしおかあさんだから」と言い続ける女性の話なわけだが、母性を目覚めさせるのは、何も子供とは限らない。

小保方晴子さんはSTAP細胞を「生き別れの息子」と表現した。彼女は自分の作った細胞によって母性が目覚めたのである。そしてこの母性が彼女を狂わせた。そして職も博士号も失うという犠牲を払い(『あの日』の出版で儲け)ながらも、彼女は「あたしおかあさんだから」と彼女の「生き別れの息子」を捜して、さまよっている。そんな女性を放っておけるだろうか。その後を追うように私も含め、多くのSTAP人がさまよっている。そのさまよえるSTAP人のひとりである ryobu-0123さんは

核を抜いた卵細胞に、小保方氏のスフェアの核をインジェクションしてES細胞に変換したのではないだろうか(要するにスフェア細胞核移植ntES細胞である)。〔中略〕

こうしてスフェア細胞のクローン細胞を、健全な細胞質をもつ新たなSTAP細胞として用いれば、従来のES細胞と同様に増殖性を示し、キメラマウスができ、幹細胞株化も出来ると発想し、若山氏はそれを実現していったのではなかろうか。

 などと妄想を語っている。

卵子は男子を狂わせる。」お跡がよろしいようで、合掌。

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