シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

Bが抜けている!!~4枚のカード問題~

表にアルファベット、裏に数字が書かれたカードがあります。このカードについて

表がAならば裏は4である

というルールがあるとします。下の図のように表を上にしたカード、裏を上にしたカードがそれぞれ2枚づつ並べられています。ここで問題です。ルールが守られているか否かを確認するために裏返す必要があるのはどのカードでしょう?

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まずカードAを裏返す必要があるということについては誰も異論はないでしょう。もし裏が4でなければ、ルールが守られていないことが確定するからです。

ではAの裏が4であったとして、次にKを裏返す必要があるでしょうか。必要ありませんね。仮にKの裏が4であったとしても、ルールが破られたわけではないですから。ルールは表がAのカードについてのみ言及しているのですから。

とすると4を裏返すことも必要ないことがわかります。仮にその表がAではなく、例えばBであったとしてもルールが破られているわけではありません。

最後に8を裏返す必要はあるでしょうか。あります。もし、それを裏返してAだったらルールが破られていることが確定するからです。

もし、あなたが4を裏返す必要があると考えたとしたら、あなたは「ルールは守られている」という確証バイアスをもっていて、そのために論理的に必要のないことをやったことになります。4を裏返してAが出たとしても、そのことであなたが得るのはやっぱり「ルールは守られていた」という安心感だけです。もし裏返すカードが2枚に制限されていたとしたら、そして8の裏がAだったら、あなたはルールが守られていないことを見逃すことになります。

また人は逆もまた真なりという非論理的心理を持つ傾向があります。「表がAならば裏は4である」から「裏が4であるならば表はAである」と思い込んでしまうのです。「裏が4であるならば表はAである」というルールがあるならば、4を裏返すことは必要です。しかし、そんなルールはないのです。命題「PならばQ」からその逆の命題「QならばP」は導き出せません。導き出せるのはその命題の対偶「QでないならばPでない」です。今の例で言うと「裏が4でないならば表はAでない」です。だから裏が4でない8を裏返して表がAでないことを確認する必要があるのです。

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