シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

【『逃げ恥』人気便乗企画第4弾】Another Story

さて『逃げ恥』も、いよいよ最終話を迎えることになったようである。という訳でこの企画も、今回が最後となる。

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上記記事でも言及したが、私は、このドラマ、第2話でリタイアした。どうも、ついていけないのである。そこで今回、どういうストーリーなら最後までフォローできたかを考えてみた。

まず、このドラマに納得できないのは星野と新垣が偽装結婚に至る理由である。そこでこの理由を謎にしたまま、ストーリーを展開するというのはどうかと考えてみた。というわけで私が楽しめる、私が考えた『逃げ恥』のあらすじの始まりである。

 

人間、真っ当に生きていたら、ある程度の年齢に達すると、周囲の「そろそろ結婚したら?」「どうして結婚しないの?」という無言(または有言)の圧力にさらされることは避けられない。星野は、「結婚したら?」圧力に耐え、独身を貫いてきたが、家事代行業の新垣に偽装結婚を持ちかけられる。渡りに船、とばかりにその話に乗るほど星野は軽薄ではない。彼は偽装結婚をする理由を尋ねるが、新垣は「そのうち、わかる」と言うだけであった。

新垣は星野とひとつ屋根の下で暮らし、なし崩し的に星野に婚姻届けまで提出させる。一方、星野の疑惑は深まるばかりだ。新垣の目的は何なのか? そもそも彼女は大学院の博士課程を終え、博士号まで取得しているのに、なぜ家事代行業なんかしているのか?

(あらすじ中断)

新垣は、私のストーリーでは「家政婦のミタ」さんのように、影のある、ミステリアスな女性として描かれる。そういうキャラは新垣のイメージとは違うという意見もあるだろうが、彼女がそうした役柄も演じられることは、この映画が証明している。


映画『くちびるに歌を』予告編

(あらすじ再開)

星野は、「結婚」後、新垣が昼間、頻繁に外出していることを知り、ますます彼女に対する疑念を募らせる。彼は、新垣の外出先が、彼女の院生時代の指導教官であった小日向文世(勝手に出演させて申し訳ありません)教授の研究室であることを突き止める。だが新垣は星野に驚くべきことを告白する。何と彼女は妊娠したというのだ。星野は、相手は誰だと問いただすが、新垣は答えない。

だが星野にとって相手が誰であろうとかまわない。問題は一刻も早く婚姻関係を解消することだ。だが新垣は、子供が生まれるまでは離婚を待ってくれと懇願する。そんなことをすれば自分が子供の父親になってしまう、そして、それが、彼女が偽装結婚を持ち出した目的だったのだ、そう考える一方で、実は密かに新垣のことを愛おしく思い始めていた星野は離婚を決断できないまま、時間だけが経過する。

そんな、ある日、小日向が何者かに殺害されたというニュースが舞い込む。星野は小日向が新垣の相手だと思っていたので、生物学的父親がいなくなった今、自分が父親になろうと決意する。そして、改めて新垣に「プロポーズ」するが、意外にも彼女は拒否する。

無事、女児(以下、「A子」という)を出産した新垣は自宅に戻ると、星野にA子のことを頼むと言い、離婚届を置いて家を出ようとする。星野がどこへ行くのかと尋ねると、彼女は「警察です」と答える。

新垣は小日向を殺害したのは自分であり、動機は不倫の末の痴情のもつれだと供述した。供述に不自然な点はなく、証拠も揃っていたので、一審で懲役10年の実刑が言い渡され、新垣は控訴することなく、刑に服した。そして星野は離婚届を提出しなかった。

それから4年たったある日、星野は偶然、新垣の4歳の頃の写真を見つけた。A子に似ている、というより、瓜二つだ、そう感じた星野の脳裏にある言葉が浮かんだ。そして新垣が大学院時代どのような研究をしていたのかを調べ、確信した。

星野は面会室でこう切り出した。「僕はてっきり、A子の父親は小日向教授だと思っていたが、違ったんだね。」新垣は黙ったままである。「あの子には父親は、いないんだ」その言葉を聞いた途端、新垣は泣き崩れた。星野の脳裏に浮かんだ言葉、それは「クローン」であった。

小日向と新垣は協力し、秘密裏に法律で禁じられている人クローンの研究を行っていた。ただし研究が露呈するのを恐れ、新垣は大学の研究室から離れた。いよいよ最終段階となる人クローンの作成に臨むにあたって、新垣は星野と偽装結婚し、妊娠しても不審に思われない体裁を整えた。彼女の卵子に彼女自身の体細胞の核を移植し、子宮にもどすという実験を繰り返した結果、ついに新垣は妊娠した。胎児が順調に育っているとき、学術的興味と野心しかない小日向は研究成果を論文にして発表すると言い出した。ちなみに人クローン実験をした者は、十年以下の懲役に処せられる(ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律)が、小日向の野心と名誉欲の前にはそうした罰は何の意味もなかった。新垣も最初は学術的興味しかなかったが、妊娠の結果、母性が目覚めた。子供がクローンだと知れたら、世間からどんな扱いを受けるかわからない。子供を守るため、新垣は小日向の殺害を決意した。以上が事件の真相である。

星野は、再度、改めて新垣に「プロポーズ」し、今度は彼女もそれを受け入れる。二人が新婚生活を楽しむのは、まだ先のことであるが。(めでたし、めでたし)

 

いかかでしょう。私の楽しめる『逃げ恥』で皆さんは楽しめたでしょうか。ところで本物の『逃げ恥』はどんな結末になるのか、最後ぐらい観てみるか。

TBS系 火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」オリジナル・サウンドトラック