シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

星野源と新垣結衣のやっていることは犯罪だ!!

といってもドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の中で、ふたりがやっていることであるが。

 

まず第一の罪は公正証書原本不実記載である。新垣は住民票を星野の住所に移すに際して、転入届に星野との続柄を「妻(未届)」と記載した(私はこの犯行をドラマで目撃した)。だが両者の本当の関係は夫と妻ではなく、雇用主と従業員である。つまり赤の他人である。したがって本来であれば、星野と新垣は(住所は同一でも)別世帯として届け出なければならない。強いて同一世帯にこだわるなら、新垣は星野との続柄を「同居人」として届けなければならない。

第二の罪は詐欺(未遂)である。この現場は直接、目撃したわけではないが、星野が「社会保険料も安くつくし」という趣旨のことを言っていた。つまり星野は新垣を自分の会社の健康保険に扶養家族として届け出たはずである。このことによって新垣は国民健康保険および国民年金に加入する義務を免れ、星野の保険証を使って通院することができるのである。ただし新垣が通院したことは未確認なので詐欺は未遂とした。

第三の罪は脱税である。少なくとも星野は会社に結婚したことを報告しているので、配偶者控除を受けていることは確実である。さらに、新垣が自分の所得(家事代行の報酬)を申告していないことも十分に推定される。

 

ちなみに私は『逃げ恥』は第2話までしか観ていない。新垣は好きだが、星野は苦手だ。そもそも恋愛ドラマは私には向いていない。

ところで観ているときには気付かなかったのだが、それからしばらくして、このドラマが凄い人気になっているというニュースを見て、ふと思ったわけだ、そういえば星野と新垣はなぜ偽装結婚をしたのか、と。そもそも、はじめから正直に星野が「わたしは住み込みの家政婦を雇いました」と言っていれば(そんなこと、いちいち周りに報告する必要もないのだが)、周囲から「結婚は偽装ではないのか?」という疑惑の目を向けられることはなかったのに(別の疑惑をもたれることはあるかもしれないが、それは必死に否定しなければならないほどのものではない)。

そういうわけで、なぜ、ふたりは偽装結婚をしたのか、その真相を確かめるために、GYAO!に大枚324円を払って『逃げ恥』第1話を確認したわけだ。そして犯罪の事実に気付いた。

 

一般的に言って恋愛ドラマの結末はふたつしかない。くっつくか、別れるかだ。しかし、『逃げ恥』については意外な結末を用意することができる。犯罪が発覚し、ふたりは警察に追われる身となる。「逃げるは恥だが、そんなこと言ってられない」と、ふたりは手に手をとって逃避行を続ける。その過程でふたりは本格的犯罪者に成長する。犯罪者として逃げながら、犯罪者として「役に立つこと」を行うのである。銀行強盗である。

そして最後、ふたりは警官隊のマシンガンでハチの巣にされる。願わくば、このラストシーンでは銃に撃たれた人間が死ぬ姿をカット処理なしで撮影してほしい。

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