シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

議論の完結を期待するryobu-0123さんへの反論

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私は、上記の記事に関連してryobu-0123のブログのコメント欄に次のようなコメントを寄せました。

>もしSTAP細胞ES細胞説が真相であり、それに小保方氏が深く関わっているとしたら、徒労に終わるとわかっている実験を1615回も繰り返し行えるだろうか。

「1615回も繰り返し」実験したのは小保方さんではありません。清成寛さんです。

するとryobu-0123さんから次のような回答をいただきました。

これは大変重大な誤解ですよ。

勿論、清成さんは大変な努力されて、細胞塊を切り刻みキメラ実験評価されました。
本当にご苦労様だったと思います。

しかし、「全部で1,615個の細胞塊を宿主胚に移植し845個の胚発生を確認した」のは清成さん単独の仕事ではなく、その細胞塊を提供する役割は小保方さんにあったことにあるのです。それは大変な過酷な監視下での告白が「あの日」述べられています。

(以下省略)

まず、ここでryobu-0123さんが引用された下條竜男氏の著書『物理学者が解き明かす重大事件の真相』をもう一度、引用します。

「ここで注目すべきは「全部で1,615個の細胞塊を宿主胚に移植し845個の胚発生を確認した」という途方もない実験の回数だ。」(中略)

「もしSTAP細胞ES細胞説が真相であり、それに小保方氏が深く関わっているとしたら、徒労に終わるとわかっている実験を1615回も繰り返し行えるだろうか。もちろんただの印象論にすぎないが、やったとしても、せいぜい数百回でお茶を濁すところではないか。」

この文章を「STAP現象の検証結果 」全文を読んだことのない人が読めば、「実験を1615回も繰り返し行」ったのは小保方さんであると誤解するのは当然だと思います。その誤解を前提に、下條竜男氏は「徒労に終わるとわかっている実験を1615回も繰り返し行えるだろうか」と疑問を呈し、そして、そのようなことはできないという印象を読者に与え、そうすることによって、「STAP細胞ES細胞」という事実に「小保方氏が深く関わっている」ことはないという結論に誘導しようとしています。

ryobu-0123さんは私が「大変重大な誤解」をしているとして、細胞塊の移植は「清成さん単独の仕事ではなく、その細胞塊を提供する役割は小保方さんにあった」と主張されます。私が細胞塊を作ったのも清成さんだと誤解している? ありえない話です。もちろん私は「細胞塊を提供する役割は小保方さんにあった」と正しく理解しています。問題は、1615個の細胞塊を作るために彼女が何回、実験を行ったかです。「STAP現象の検証結果 」にはその回数について正確に記述されています。私は、その部分を引用したのちに、次のように述べました。

(小保方さんの実験回数は)「せいぜい数百回」どころか、たった48回である。1回の実験で10個程度のSTAP 様細胞塊が得られるから、小保方さんは480個程度のSTAP 様細胞塊を作った計算になる。 それを平均3.3個に分割すれば、宿主胚に移植するのに必要な約1600個のSTAP 様細胞塊が得られる。

ここで「たった48回」と言っているのは、別にそれが楽なことだったと言いたいわけではありません。だから小保方さんがどれだけ苛酷な条件の下で実験を行ったかも、ここでは問題にはしません。そもそも1回の実験に、どれだけの労力を費やすかわからないのに、回数だけで実験全体の苦楽を論じること自体がナンセンスなのですから。

ただ下條竜男氏が「ここで注目すべきは」「実験の回数だ」と主張しているので、私も実験の回数だけを問題にしているのです。そして事実に基づいて論じるならば、下條竜男氏は次のように主張すべきでした。すなわち小保方さんは「徒労に終わるとわかっている実験を48回も繰り返し行えるだろうか」と。ただ48回では(一回の実験にどれだけの労力が必要かわからない限り)「途方もない実験の回数だ」と言っても、読者には受け入れられない。しかし1615回なら、(一回の実験にどれだけの労力が必要かわからない読者にも)直感的には受け入れられる。下條竜男氏はそこを狙った。

すなわち「実験を1615回も繰り返し」た小保方さんは、その実験が「徒労に終わるとわかって」おらず、だから彼女は「STAP細胞ES細胞」という事実に関係していない、そのように印象付けるために、「STAP現象の検証結果 」に小保方さんが行った実験回数が正確に記述されているのに、それを無視して彼女が「実験を1615回も繰り返し」たと誤解を与えるような記述を行ったのではないでしょうか。

ryobu-0123さんは、どうお考えですか。