シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

STAP WARS 改革委の攻撃・理研の逆襲

L氏はSTAP検証実験で「5%白」を確信したらとい。しかしこの検証実験は科学(理研)と政治(改革委)の妥協の産物であった。まず改革委は科学コミュニティーだけではなく、国民に対してもSTAP現象の有無を明らかにせよと迫る。

 STAP現象の有無を明らかにせずうやむやにすることは、科学研究に対する国民の信頼を著しく傷つけ、ひいては科学研究を公費で支えることへの深刻な疑念を生じさせるものである。〔中略〕STAP 現象について科学的に正しい再現実験を行うことは、科学コミュニティーに対する理研の責務であるのみならず、国民に対する理研自身の義務である。小保方氏が2本の論文の撤回に同意したことをもって、この理研の義務が免責されることはない。 

私はこの一文を「科学コミュニティーに対する理研の責務」は論文撤回で免れるが、国民に対する責務はそうではない、と読む。というのも再現実験を次のように位置づけるからである。

再現実験の目的は、「STAP現象は有り、小保方チームはこれを完成していた」のか、それとも研究成果の捏造であるのか、を明らかにすることにある。

STAP現象の有無を明らかにすることは科学の課題であるが、小保方さんらが研究成果を捏造していたか否かを明らかにすることは、そうではない。そして改革委は検証実験の意義について、後者の方に重きを置いているようにみえる。だから(改革委の)政治的目的を達成するために小保方さんの再現実験に次のような注文を付ける。

小保方氏自身による再現実験に際しては、胚性幹細胞研究あるいは iPS 研究に熟練した研究者が監視役として同席するとともに、同一空間内で平行して小保方氏が実施するプロトコルに沿って再現実験を行うこと。再現実験はテラトーマ形成能を評価法とすること

もしテラトーマができなかったとき、STAP論文のテラトーマは捏造であると判断される。ここでは科学は改革委の政治的意図を担保するための手段に過ぎないのである。当然、この提言に理研(検証実験の責任者である相澤さん)は反発した。 監視は改革委が提言する以上に強化されたが(このことは結果的に小保方さんにとっては好都合であった)、多能性は次の3点で評価されることになった、① GFP 陽性細胞を含む細胞塊(STAP 様細胞塊)の出現数、② 多能性細胞特異的分子マーカーによる多能性誘導、 ③ キメラ形成能。

テラトーマ実験をやらなかった理由として、その実験に必要なだけの十分な数のSTAP様細胞塊が得られなかったことを挙げている。理由はそれだけで十分なのに、あえてもうひとつの理由を挙げる。キメラで評価するんだからテラトーマは必要ないという理由である。これは政治的意図に対する科学的反発、言い換えれば相澤さんの改革委に対する痛烈な当てつけである。そこには、お前ら(改革委)の思い通りにはさせないというメッセージが込められている。

小保方さんの検証実験において、STAP現象は結論としては否定されたが、相澤さんの配慮により、その結論にいたる過程に何か意義の有るものが隠されているのではというモヤモヤ感が残ることになった。このモヤモヤを利用して小保方さんは「検証実験においてSTAP実験の私のパートは再現されました」と言い放ち、またL氏はモヤモヤの中に「5%白」という新たなる希望を見出した。

 

【8月4日追記】

「結論ありき」ブログへのLさんのコメント

私が大切だと思っているのは、すでに桂調査委で終了している「不正認定」の方ではなくて、検証実験で曖昧にされた「事実認定」の方です。〔中略〕

緑色蛍光陽性の細胞が低率ながら作られていたと認定されれば 、すべてがデタラメというわけではない事が示されると思います。ここに一定の評価を与える配慮があっても良かったと、今でも思います。

改革委の立場からすれば、小保方さんの検証実験の報告は「小保方氏が作製したSTAP様細胞塊からテラトーマは作製されなかった」の一行で十分ではなかったかと。それに比べれば理研(相澤さん)が公表した検証実験の報告は相当の「配慮」が為されていると思います。  

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