シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

ドクター学、曰く「私、間違わないので。」

学さん、曰く

先天性免疫不全症という病気がありますので、臨床医系の人は、こうした病気がある限り、TCR, BCRのコンセプトを間違えません。

しかし、学さんの専門は医学(免疫学)であり、生物学ではない。専門家が専門外の分野で間違うことはよくあることらしい。

実際に歴史学の専門家が専門外の分野で陰謀論者になったり、陰謀論すれすれの説を語り始めたりする例は多く見られます。日本中世史を専攻する大学教員が、近代史学界で一蹴されている「坂本龍馬暗殺の黒幕は薩摩藩」というトンデモ説を支持するのは、その典型でしょう。さらに言えば高学歴で自分に教養があると思っている人ほど、よく引っかかると言えるかもしれない。それはパッと見たときに常識を覆す論には、知的興奮を伴う驚きがあるからでしょう。それが陰謀論の怖さです。

教養がある人ほど「陰謀論」に引っかかる(2/3) | プレジデントオンライン

学さん、曰く

お互いに間違いは間違いであるとの情報交換は理想とは思いますが、当方はアンチES論を展開しており、これは、いわば、反社会的行動です。
従って、この逆風はしかたがないものと思っています。

そこで、攻撃に対して、学とみ子ができる対処は、アンチな投稿は拒否するというものです。

もし「攻撃」ということばが誹謗中傷だけではなく批判までをも含んでいるとするならば、そうしたコメントを承認しないことは(もちろんブログ主の自由ですが)研究者のとるべき態度ではないと思います。

歴史学に限らず、研究者にはある種の慎重さや謙虚さが求められている、と私は考えています。自分が提唱する説というものは、あくまでも仮説であり、それが批判され修正されていく可能性を常に考えなければならない。それが研究者のとるべき態度である、と。

教養がある人ほど「陰謀論」に引っかかる(3/3) | プレジデントオンライン

学説(学さんの説)を唱えることが「反社会的行動」だなんて思っているのは学さんだけだと思いますが。

ところが陰謀論疑似科学の主張者の多くは、対外的に「自分の説が絶対に正しい」と言ってしまう。自説が批判的に再検証されるべきだという意識が希薄で、批判されると「真実を隠蔽しようとしている」「学界は私を恐れている」と新しい陰謀論さえ付け加えたりする。

いろいろ批判めいたことを書いた後にアレなんですが、最後に質問です。吉村昭彦慶大教授は「『分化したT細胞が酸処理で(胚盤胞にinjectionすると)胎盤にまでなれる万能性を有するSTAP細胞になった』可能性はもちろん残る」と、学説に反する主張をしているのですが、他方でSTAP論文について次のような注文をつけています。

これを結論づけるにはキメラのTCR解析の結果を知りたいものだが、しかしD2J2のプライマーでPCRを行う程度の検出の信頼性では、受精卵由来の細胞の影響(ノイズ)があって筆者らの方法の精度では結論を出す事は難しい。

この「D2J2のプライマーでPCRを行う程度の検出」とはSTAP論文の「TCR-β鎖遺伝子再編成試験」のことだと素人の私は思うのですが、「結論を出す」には次のような方法にすればいいと提案しています。

明確な結論を出すには4Nやキメラの子孫で確認するべきと思う。キメラの子孫のT細胞はすべて単一TCRβを発現するはずなので(少なくともβ鎖は。αはちょっと違う。)検出はFACSで容易にできる

一方で学さん、曰く

TCRの色は天文学的数値位に多くの種類で作られます。ですから、ここで、注入するSTAP胚は、“モノクローナルT細胞で実験をしないといけない”となります。

万能細胞STAP幹細胞について吉村昭彦慶大教授が疑問投げかける

吉村さんの言う「キメラの子孫のT細胞はすべて単一TCRβを発現するはずなので(中略)検出はFACSで容易にできる」と学さんの言う「モノクローナルT細胞で実験をしないといけない」は同じことを言っていると理解してよいのでしょうか。