シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

掛け算の順序問題は数学の問題ではない。

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「xyは,xのy倍」の定義から出発しても,和の交換法則,結合法則,積の交換法則,結合法則,そして分配法則を使えば,「xyは,x倍のy」を証明できるのではないかと気が付いたのです。

そのことに気付いた高橋さんは、その証明を試みるのであるが、私には何が証明されたのかが理解できない。しかし理解できたこともある。それは「xをy倍する」という一見、自明に見えることばも、数学で用いる場合、厳密に定義する必要があるということである。 そこで高橋さんの考え方に沿って、まず「mをn倍する」ということばを帰納的に定義してみる。

自然数mに何もしないことをmを1倍するという。

mをn(nは自然数)倍したものにmを加えることをmを(n+1)倍するという。

さらに

積は「被乗数×乗数」の順で定義されています。

という主張も登場するので、次に被乗数と乗数ということばを定義しておこう。積の定義m・1=m、m(n+1)=mn+mから、mをn倍したものはmnに等しい。

そこで積mnのmを被乗数、nを乗数という。

つづいて高橋さんは積の交換法則mn=nmの証明を紹介したのちに、次のように主張する。

つまり,xy(xのy倍)=yx(yのx倍)が証明された。 この証明のどの段階でも,積については,定義(被乗数×乗数),つまり,xyはxのy倍であることしか使っていません。

しかし、実際に使われている定義はm・1=m、m(n+1)=mn+mという数式であり、高橋さんの定義「積は被乗数×乗数である」は使われていません。 ここまでの過程で私が理解したことは、数を数学的観点から乗数、被乗数という形式で区別することは無意義であるということです。

掛け算の順序問題は数学の問題ではない。掛け算の順序が問題になるのは数学の世界には存在しない単位というものが介在する限りにおいてである。それは、一方では、助数詞とは区別されるべき「数学的」単位とは何かという哲学的問題であり、他方では子供に「数学的」単位という概念を、いかにして把握させるかという教育学的問題である。