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シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

尿とビール

尿とお茶」は私に嫌な記憶をよみがえらせた。尿と偽ってビールを提出することは可能か。グラスに注ぎたてのビールなら無理だが、気の抜けたビールなら可能だ。私は警察から尿の任意提出を求められたとき、気の抜けたビールを提出し、そのビールからアルコールの成分が検出されたため、逮捕された......わけではない。

正直に話そう。あれは暑い、夏の日だった。その日、私は昼間からビールを飲んでいた。大量に飲み、いい気分になり、そして、いつの間にかウトウトしていた。それから、どれぐらいたったのかは、わからない。目覚めたとき、目の前にグラスに半分ほどのビールが残っていた。完全に気の抜けたビールだ。あまり飲む気はしないが、捨てるのも、もったいない。で、残ったビールを飲んで、本格的に寝よう、そう思って、気の抜けたビールを口にした。

なんか変だ。全然冷えてない、ていうか、生ぬるい。そのとき私は重大な事実を思い出し、私の酔いは一気に覚めた。

私は極度の面倒くさがりだ。蟹は食べるのが面倒だから嫌いだ。鶏のから揚げも、骨付きは面倒なので、骨なしの方が好きだ。ことほど左様に面倒くさがりの私が、しかも相当に酔っている私が、尿意を催したからといって、おいそれとトイレに行くわけがない。幸い目の前には空になったグラスがある。とりあえず、それで済まそう。そう考えて、放尿した。「そして、いつの間にかウトウトしていた」に戻る。賢明な読者は(そうでない読者も)もう、お判りだと思う。

そう、私はビールだと思って口にしたのは自分の尿だったのである。

しかし、である。私は最近、ある真理に気付いた。私だけではないのだ。すべての人間は自分の尿を飲んだことがある。そんなことはない、私は自分の尿など飲んだことはないというあなたは、そのことを覚えていないだけである。無理もない。人は嫌な記憶ほど忘れたくなるものだから、ではない。無理もないのは、自分の尿を飲むという経験をしたあなたは、まだ生まれていないのだから。

胎児というものは、羊水にどっぷりつかって生きている。問題はその羊水である。

羊水のほとんどは胎児尿に由来しています。

(中略)

胎児に嚥下された羊水は、小腸から吸収され胎児の血液循環に取り込まれ、その後、腎臓から再度羊水腔内に排出され、羊水の一部となります。

羊水の産生と吸収 | 妊娠の基礎知識

どうです、ご理解いただけましたか。あなたも私も生まれる前は自分の尿をのんでいたのです。

生まれてから、しかも成人になってから、自分の尿を飲むという貴重な体験をした私は、その後、日本酒党になった。

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