シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

敢えて「Business Journal」に寄稿した勇気ある湯之上隆さんを心配する。

ここ数日、STAP界隈が騒がしい。STAP騒動に新たな進展があったからである。Kansoさんという方による、李さんへのインタビュー記事がネットにアップされたのである。

Interview with Prof. Chong Li

その記事において李さんは「ntES Box Li」とラベルされた箱は全部で4箱あると証言している。そのうちの3箱は現在、山梨大学若山照彦さんの研究室に存在するらしい。ということは、小保方晴子さんの冷凍庫で発見された1箱の「ntES Box Li」が、引っ越しの際に若山さんが残していったものであるという可能性は低いと考えられる。
この点からも、この証言は貴重な情報である。しかし、この情報は当然、捜査当局も掴んでおり、その上で、検察は「事件の発生自体が疑わしい」と判断したのだろうから、この情報によって再びSTAP騒動が世間の耳目を集めることはないだろう。
多くの日本人にとってSTAP騒動は過去のものとなり、現在、このような情報に興味を抱くのは、私を含めた一部の好事家だけであろう、と私は思う。しかし、そうは思わない人もいるようだ。湯之上隆さんも「そうは思わない人」の一人である。

しかし、多くの日本人は、「小保方氏は不正をしたのかもしれないが、本当にSTAP細胞はなかったのだろうか?」と疑問を持っていると思う。私も、「本当のところはどうなのだろう?」と関心を持っていた。

朝日新聞の編集部が仕組んだ姑息なシナリオ | ビジネスジャーナル

湯之上さんが、 「多くの日本人」がSTAP細胞は本当に存在しないのかという「疑問を持っていると思う」根拠は「Business Journal」というマイナーなメディアの記事である。

これらの記事は多く人の耳目を集め、アクセスランキングのトップに並んだ。私も、興味を持って読んだ。やはり、「日本人はSTAP細胞があるのか否か」に依然大きな関心を持っていたのである。

これらの記事とは「米独の論文がSTAP細胞に関係あるらしい」「STAP細胞の特許が世界各地で実体審査に移行した」ことを報じる、専門家でない(おそらく当該論文も読んでいない)上田眞実さんらが書いた記事である。これらの記事が何と比較して「アクセスランキングのトップに並んだ」のだろうか。もし、「Business Journal」の他の記事と比較して、ということなら、その事実をもって、日本人はSTAP細胞に「依然大きな関心を持っていた」と結論付けるのは、いささか乱暴である。そもそも「Business Journal」にアクセスする人など、日本人のごく一部に過ぎないのであるから。ちなみに私は上田さんの記事ではじめて「Business Journal」の存在を知った。

しかし、私をはじめとする多くの人々は、これらの発表が真のSTAP現象なのかどうかを判断するための専門知識を持ち合わせていない。したがって、かつて大騒ぎした大手マスコミは、これらを真正面から取り上げ、その真偽を専門家に分析させ考察させ、それらを報道することが責務であったはずだ。

なぜ大手マスコミが、その責務を果たさないのか、湯之上さんは次のように推測する。

 「もうあの事件は終わったことだ」「一度決着したことを蒸し返したくない」「小保方バッシングを行ったのでバツが悪くてかけない」「STAP細胞はないと断言した。今さら出てきても困る」というようなことではないかと推測した。

しかし、私は逆に「Business Journal」が、なぜSTAP細胞に拘り、「STAP細胞、関与否定の若山教授の血を使って実験していたと判明…理研の説明が根底から崩れる 」のような支離滅裂な、大手マスコミなら絶対に載せない記事を載せるのかを推測する。それはSTAP細胞に関する記事が「アクセスランキングのトップに並んだ」からである。アクセス数が稼げるなら、記事の内容など、どうでもいいというスタンスなのではないだろうか。もしそうなら、「Business Journal」のやっていることは炎上商法に似ている。

本稿は、RONZAに寄稿しても拒絶される可能性が高いと考え、STAP細胞関連の記事が多数取り上げられている「ビジネスジャーナル」に、敢えて寄稿した。「大手マスコミの報道姿勢は不自然ではないか?」という私の主張の是非は、本サイトの読者の判断に委ねたい。

「大手マスコミの報道姿勢は不自然ではないか?」と疑問を呈するだけで、大手マスコミ(RONZA)において、湯之上さん自身が「これらを真正面から取り上げ、その真偽を専門家に分析させ考察させ、それらを報道する」という責務を果たすつもりはないようである。確かに米独の論文がSTAP現象の再現である可能性があると分析・考察する専門家を見つけることは、STAP現象を再現するのと同様、不可能に近いであろう。
いずれにせよ「Business Journal」のSTAP細胞関連の記事で、はじめてまともに批判するに値する記事を書いていただいた湯之上さんに、私は感謝する。と同時に「STAP細胞関連の記事が多数取り上げられている『ビジネスジャーナル』に、敢えて寄稿した」ことで、大手マスコミから湯之上さんへの原稿依頼が減るのではないかと、余計な心配もするのであるが。

 

それにしても小保方さんは今、何をしているのだろうか。このブログ主は現在、小保方さんに動きがないと、ネタ枯れになるという「OBO依存症」からの脱却に向けて、リハビリ中であることを報告しておく。

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