シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

「ヤダ!」は嫌だ! 「ヤダ!」は謎だ。

いつの時代から、我が国において中年男性(しかも禿げてる)が「ヤダ」などという言葉を発することが許されることになったのであろうか。嫌なら、はっきり「嫌だ」と言えばいいのに、「ヤダ」などと言う。いい歳こいたオッサン(しかも禿げてる)が、である。許せん。若山さん、あなたのことですよ。

「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかに行っちゃうかもしれないから、ヤダ」(p92)

あの日

「ああ、嫌だ、ああ、キモイ、そばに来るな」私ならそう思う。しかし小保方さんは違った。この言葉を「弟子に対する愛情表現」と受け取ったのである。上記の若山さんの発言は「私にもキメラマウス作成の胚操作を教えてください」という小保方さんの申し出を拒否する際に発せられたものである。弟子が教えを乞うているのに、師匠はそれを拒否する、その拒否の言葉の背後にあるのは、もはや「弟子に対する愛情」ではない。それは小保方さんというひとりの女性に対する愛情と解さざるをえない。
しかし、である。私にはあの朴訥な若山さんがそんな露骨な愛情表現をするとは考えられないのである。そこで私は『あの日』の次の記述に注目した。

若山研では私以外の全員が、「胚操作」と呼ばれる(中略)実験を行える技術を持っており、(中略)キメラマウスを作成したり(中略)する実験を行うことができた。(p92)

だとすれば、小保方さんは若山さんに断られたとしても、若山研の他の研究員に胚操作の技術を教えてもらうことができたのではないか。だが、小保方さんは、そうしなかった。なぜか。それができなかったからではないか。小保方さんは若山さんには受け入れられていたが、若山研の研究員には受け入れられていなかった。彼女は若山研で孤立していた。唯一、頼れるのは若山さんだけであった。だから若山さんに胚操作の教授を拒否されると,他に頼める人はいなかったのである(妄想モード突入)。
では、若山さんは本当に拒否したのか。そうではない、若山さんは教える気まんまんだったのである(妄想モード全開)。「どこかに行っちゃうかもしれないから、ヤダ」という発言は小保方さんの勘違いであった。確かに若山さんは「どこかに行っちゃうかもしれない」とは言った。しかし、それに続けて「から、ヤダ」とは言っていない。それは小保方さんの聞き間違だった。若山さんが、それに続けて本当に言った言葉、それは「カラヤン」である(謎は解けたよ、ワトソン君)。
カラヤンとは、もちろん「帝王」と呼ばれた名指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンのことである。では、なぜここで唐突にカラヤンの名が出てくるのか。実はカラヤンにも、若山さんにとっての小保方さんのような女性がいたのである。その女性の名はザビーネ・マイヤー。

(マイヤーは)1981年1月、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席クラリネット奏者のオーディションを受ける。(中略)BPOの芸術監督 兼 終身指揮者であったヘルベルト・フォン・カラヤンはマイヤーに強い関心を示したが、BPO楽員の総意は「マイヤーの音には、BPOの管楽器奏者にとって不可欠の、厚みと融合性が欠如している」というものであった。マイヤーを仮採用(1年間)するか否かの楽員投票が為されない状況で、マイヤーはBPOアメリカ公演(ライスターは不参加)に、カラヤンの指名で客員首席クラリネット奏者として参加したが、翌1982年の晩秋のBPO楽員全員による投票で、マイヤーの仮採用(1年間)は否決された。
この「ベルリン・フィル入団騒動」でマイヤーはかえって有名になり、以来世界の100か所以上を回って、数多くの主要なオーケストラと共演する、世界屈指のクラリネット奏者となった。

ザビーネ・マイヤー - Wikipedia

カラヤンはマイヤーの才能を認めたが、BPO楽員は彼女を受け入れなかった。カラヤンの力で、マイヤーは、いったんはBPOアメリカ公演に参加したものの、結局BPOを離れ、「どこかへ行って」しまった。そのとき彼女は、もはやカラヤンを必要としなかった。彼女にはそれだけの実力があったからである。こうして彼女は「世界屈指のクラリネット奏者となった」のである。

マイヤーのように小保方さんも「どこかに行っちゃうかもしれない」。そして、そうなれば小保方さんは一段と飛躍し、「世界屈指」の研究者になるかもしれない。もしそうなれば、若山さんは、まさにカラヤンのようだといえる。要するに若山さんはこう言いたかったのである、「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかに行っちゃうかもしれない。(もし、そうなれば僕は)カラヤンだ」。

 

しかし、私の妄想力は留まることを知らないようだ。最後に今回の妄想のヒントを与えてくれたLa Pom Ponのみなさんにスペシャルサンクスです。 

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