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シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」うっかり屋の小保方さん

小保方晴子さんへのSTAP細胞実験の不正疑惑により、世間から不当なバッシングを受けているのを見て、大学側がそれと関連付けて2014年7月17日で調査委が「論文不正ではない、学位取り消しには当たらない」と結論を出したのにも関わらず、10月になって新たな不正行為事案を追加し、学位取り消しを決定しました。 

ブログタイトルを変更致しました。 : 小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会

この主張には二つの事実誤認がある。

ひとつは「調査委が『論文不正ではない、学位取り消しには当たらない』と結論を出した」という点である。

そして、もうひとつは早稲田大学が「新たな不正行為事案を追加し、学位取り消しを決定しました」という点である。

まず一点目について正確な事実は以下の通りである。

小保方さんは草稿段階の論文を間違って、博士論文として大学に提出してしまった。調査委員会はまず、この論文(本件博士論文)を調査し、次のような結論に至った。

  問題箇所①から⑨は、上記規則にいう「不正」行為にあたる 

 http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_report.pdf

ちなみに「上記規則」とは以下のような早稲田大学の規則である。

  「本大学において博士、修士または専門職学位を授与された者につき、不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したときは、総長は、当該研究科運営委員会および研究科長会の議を経て、既に授与した学位を取り消し、学位記を返還させ、かつ、その旨を公表するものとする」 

 調査委員会は、この規則に照らして、「不正」がたんなる過失によるものであれば、不正(行為)は「不正の方法」にはあたらないと解釈する。

小保方さんは、間違って論文を提出したのであり、本来、提出すべき完成された博士論文は別に存在する。もしその論文に不正がなければ、学位の取り消しはできないことになる。だが委員会は、この論文(小保方氏主張論文)を調査した結果、小保方主張論文にも「不正の方法」に該当する箇所が存在すると指摘する。

 本件博士論文における不正行為のうち、小保方氏主張論文においても依然として認められた問題箇所①、②、③の1、③の2、③の3及び⑧については、(中略)小保方氏が、これらの不正行為の事実を認容してなした行為であり、上記規則上の「不正の方法」に該当する。 

しかし調査委員会はまだ学位を取り消すという結論には至らない。その理由は以下の通りである。

 「不正の方法により学位の授与を受けた」における「により」の文言は、不正の方法と学位の授与という結果との間に因果関係が必要であることを示している。つまり、学位の授与の過程、その前提となる博士論文の作成過程等に不正の方法があっても、その不正の方法と学位の授与との間に因果関係がなければ、学位を取り消すことができない。 

 そしてこの因果関係を検討した結果、次のような結論に至った。

  また、その他の問題箇所①、②、③の1、③の2、③の3及び⑧については、小保方氏が、これらの不正行為の事実を認容してなした行為であり、「不正の方法」には該当するものの、そのいずれもが、学位授与に重大な影響を与えたとはいえず、これらの問題箇所と学位授与との間に因果関係があったとはいえない。 

したがって最終的に、次の結論に至る。

  小保方氏に対し与えられた学位を取り消すことはできないと判断する。 

 調査委員会の結論は、論文に不正はあったが、その不正と学位授与に因果関係はないので学位取り消すことはできない、というものである。

 

二点目の早稲田大学が「新たな不正行為事案を追加し、学位取り消しを決定しました」という点についてであるが、早稲田大学の主張は以下の通りである。

 早稲田大学は、調査報告書の事案認定を踏まえながらも、小保方氏が公聴会による実質的な審査の対象となった論文とは大きく異なる博士学位論文を提出したことは、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったものであり、これによって最終的な合否判定が行われたことは「不正の方法により学位の授与を受けた事実」に該当すると認定し、博士学位の取り消しを決定した。

 小保方さんの博士号「学位を取り消す」早稲田大学が「猶予付き」の決定・配布資料(全文)|弁護士ドットコムニュース

 早稲田は「新たな不正行為事案を追加し」てはいない。ただ事実に対して調査委員会と見解を異にするだけである。その事実とは「公聴会による実質的な審査の対象となった論文とは大きく異なる博士学位論文を提出したこと」である。調査委員会はそれをたんなる過失と判断したのに対して、早稲田はそれを「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」ことによる重大な過失と判断したのである。たとえて言うなら、小保方さんの過失がもたらした事態に対して、過失「論文提出」罪ではなく、より重い罰が課せられる業務上過失「論文提出」罪を適用すべきだと主張しているようなものである。

もちろんこの「重大な過失」を見逃して小保方さんに学位を与えた早稲田大学が、論文審査をする者として「わきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」ことは言うまでもない。

 当会では今後も、STAP細胞事件の真相究明、小保方晴子さんへの人権無視をした報道に断固として抗議し、真実を追究していく所存です。 

「真相究明」や「真実を追究」するなら、まず真相や真実の基礎となる事実を正確に把握しなければならない。