しかし私の中では、それはもはや「物語」ではなくなった。その「物語」に「死」という異物が混入したためである。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2014/08/post-f160.html
私たちは、STAP細胞論文にまつわる各種のスキャンダラスな事態の発覚について、多大な知識を持っているため、そうした知識で自殺者の理由付けという物語をえたいという欲望を持つ。
しかし私にはそのような欲望はない。S博士の死をこの「物語」の中で起こった出来事として捉えたくない。それはひとつの現実として受け止めたい。そのために私も
氏の自殺は、通常の精神疾患の帰結であり、それ以上の意味はないだろう
と考えることにする。
なおS博士の死を「O嬢の物語」の中の出来事として位置づけ、その死の理由や意味を創作する人たちへ一言。
その「物語」の主人公をも死に追いやることのないよう、くれぐれもご注意を。