シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

完全に分化した細胞からはSTAP幹細胞は作れない

という話です。重要なのは作れないのはSTAP細胞であるという点です。最近ささやかれているこのストーリーは小保方さんにとって最善ではないにしても、次善のものではないかと思われます。

まず、STAP細胞とSTAP幹細胞の違いですが

「iPS細胞とSTAP幹細胞に関する考察」から引用すると

STAP細胞とSTAP幹細胞の違いについても正確にご理解ください。細胞にストレスをかけてまずできるのはSTAP細胞です。「幹細胞」というものは、多様な細胞へと分化する能力(多能性)と、自らと同じ能力の細胞へと分裂し続けられる能力(増殖能)を持たなければなりません。STAP細胞は多能性を持ちますが、増殖できない細胞です。

https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/140212-194926.html

 

次にSTAP幹細胞とそうでない幹細胞の違いについて説明します。

一個体を形成するすべての細胞種へと分化可能な能力(分化全能性)を持つ細胞は自然の状態では受精卵しか存在しません。STAP幹細胞はこの分化全能性を持っています。これに対して限定された範囲で分化する能力を持つ幹細胞が存在します。

例えば造血幹細胞は赤血球、白血球、リンパ球など血液を構成する様々な細胞に分化することができます。言い換えれば、それ以外の細胞には分化できません。

さてSTAP論文ではマウスの脾臓由来のリンパ球(完全に分化した細胞)を初期化することによってSTAP細胞を作り出し、さらにこれを特殊な仕方で培養することによってSTAP幹細胞が作り出されたことになっています。

しかし、この培養の過程でリンパ球由来のSTAP細胞は全部、死んでしまったとしたらどうでしょう。するとSTAP幹細胞が創り出されたというのは嘘だったのでしょうか?

そこで次のような可能性が考えられるのです。脾臓からリンパ球を取り出すとき、造血幹細胞が混入した、この幹細胞(限定された分化多能性を持つ細胞)が初期化され、分化全能性を獲得したとすればどうでしょう。そう考えればSTAP細胞にはTRC再構成が確認されるが、STAP幹細胞では確認されないという事実も説明できます。

もともとSTAP細胞の原料が幹細胞だとすれば、それは、はなから増殖能力を持っていることになります。したがって「特殊な培養」は必要のない過程ということになります(あるいは細胞を増殖させるには必要だった)。しかし、もともと分化能力のある細胞から分化全能性を持つ細胞を作り出したということでは、それほど評価するほどのことではないということなのでしょうか。

小保方さんは200回以上、STAP細胞を作ったと言っています。しかし、STAP幹細胞を作ったとは一度も言っていません。実際、彼女はSTAP幹細胞は作っておらず、それは若山先生の担当だったようです。

 

世界の研究者が作れないと言っているのは、STAP細胞なのでしょうか、それともSTAP幹細胞なのでしょうか?

 【追記】

「4月9日の記者会見に関する補充説明」より引用

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140414-00001408-bengocom-soci

STAP幹細胞は、STAP細胞を長期培養した後に得られるものです。

 長期培養を行ったのも保存を行ったのも若山先生ですので、その間に何が起こったのかは、私にはわかりません。現在あるSTAP幹細胞は、すべて若山先生が樹立されたものです。