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シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

樋渡理の「物語」・第二話【真子・その青春の光と影】

まず最初にはっきりさせておこう。

私は稲津真子(通称:電子)が私(理)の母親であるとは言った。

しかし、樋渡光が理の父親であるとは

ひっとことも言っていませんから

そこんとこ、勘違いせんように。

では「物語」を続けよう。

 

樋渡光はテロ事件の容疑者リストに名を連ねる人物、すなわちテロリストである。

彼の活躍の舞台は海外であった。

しかし、光は「老い」を感じていた。

「そろそろ潮時だな」そう考えた光が最後のテロの舞台として選んだのは、もちろん母国・日本である。

そして標的として選んだのが、他ならぬ真子(通称:電子)の父、稲津真樹(いなづ・まき/通称:電気)であった。

なぜ彼が標的となったのか、それはこの「物語」とは無関係なので割愛する。

 

テロリストとしての、そして人生の最後を飾る大仕事として、光は稲津邸襲撃事件をドハデに実行した。

4tトラックの荷台にダイナマイトをてんこ盛りにして稲津家に向かった。

稲津邸は大邸宅である。その大邸宅を囲む強固な塀をぶち壊し、広々とした庭を横切り、ダイナマイトてんこ盛りトラックは走る、走る。

家の壁を突き破り、応接間から真子の寝室へと走る、というか止まらない。

そして光の運転するトラックは彼女の眠るベッドに衝突したところで、やっと止まった。その衝突の衝撃で彼女のからだは窓に向かって投げ出された。

止まった次の瞬間、ダイナマイトは大爆発、稲津邸は一瞬にして木端微塵となった。

もちろん稲津真樹(通称:電気)とその妻(通称:稲妻)、そして樋渡光は即死であった。

 

そのとき、真子(通称:電子)は……!?

彼女だけは死ぬわけにはいかない。

衝撃を受けた彼女のからだは、そのまま窓を突き破って家の外に放り出された

 

ところで稲津邸は日本海に面した断崖絶壁に建てられていた。

なんでそんなところに家を建てたのかは、稲津真樹(通称:電気)が亡くなった現在では、もはや永遠の謎である。

そして運よく、真子(通称:電子)の寝室は日本海に面した側にあった。

窓の外には何もない。そのはるか下に日本海が広がっているだけである。

彼女は家から放り出され、日本海にダイブした。

さらに運よく、そこに烏賊釣り漁船が通りかかり、彼女を救助した。

 

奇跡的にかすり傷だけで助かった真子(通称:電子)は病室のベッドで、一瞬にして両親を失った悲しみに打ちひしがれていた。

と同時に、自由と、そして莫大な遺産を手に入れたことに狂喜していた。

彼女は左目から悲しみの涙を、右目からはうれし涙を流すという離れ技を披露した。

 

退院した真子(通称:電子)はその莫大な遺産を背景に、優雅で自由奔放な毎日を送っていた。

六本木ヒルズに居を構え、ヒルズ族と交流する日々、

そんなある日、真子は運命の人と出会う。

後に理の父となる樋渡朗(ひわたり・かげろう)である。

 

樋渡影朗とは何者か!?

テロリスト樋渡光との関係は!?

 

(つづく…かも)