シュレディンガーの狸

このブログがなぜ"シュレディンガーの狸"と名付けられたのか、それは誰も知らない。

樋渡理の「物語」・第一話【光電効果】

樋渡理(ひわたり・さとし)とは何者か?

という話である。

そういう話ならプロフィールに書け、という至極まっとうなご意見もあろうかと思う。

だが、しかし、である。

私はたんなる自己紹介をするつもりではない。

私は近々、ある論文を発表する。そうすればマスコミの注目の的となるのは間違いない。

そういう場合、事前に「現代のベートーベン」「割烹着を着たリケジョの星」に比べて遜色のない「物語」を用意しておくのが人の道というものであろう。

そういうわけで樋渡理「物語」をマスコミが報道する前に知ることのできる諸君は幸せ者である。

その幸せは独り占めにしてはいけない。拡散希望、なのだ。

 

まず、樋渡理の母の話から始めよう。

彼女のあだ名は「デンコ」という。「デンコ」の本名は稲津真子(いなづ・まこ)。

「いなづ・まこ」、中丸をひとつ右にずらせば、「いなづま・こ」

すなわち電子」である。

 

電子は由緒ある家に生まれた。

由緒ある家とは往々にして金持ちである。

電子の家も例外ではない。

そういうわけで電子は何不自由なく育った。

電子が欲しいものはすべて与えられた……ただひとつの例外を除いて。

電子が欲しても与えられなかった唯一のもの、それは自由。 

 

仕方ない、わたしは由緒ある家のお嬢様なんだから。

でも諦めきれない。わたしは自由が欲しい。誰か、わたしに自由を与えて。

何を言ってるの!! 自由とは与えられるものではなく、闘い獲るものよ。

でも、わたしには闘うエネルギーなんてないわ。

 

だが、そのエネルギーを与えてくれる人がいたのだ。

その人の名は樋渡(ひかる)。

 

 【第二話予告】

電子と光、その衝撃的な出会いと波乱の結婚生活